作成:森岡正博 |
生命学への招待
森岡正博
『生命学への招待−バイオエシックスを超えて』
勁草書房 1988年4月 全269頁 本体2700円
「生命学」という考え方を提唱した、1988年の第一作。バイオエシックスを超えて、「他者」に迫ろうとする若き思索の軌跡です。 いまやなつかしい最初の本です。たしか大学院博士課程にいたときに無我夢中で書いたもの(詳細は生命学ライブラリ1にある「ある哲学者の内面構造」参照)。生命倫理と環境倫理を同じ土俵で考えて、生命と科学と文明を総合的に捉える「生命学」の必要性を訴えた。初版は2000部刷って、なんとか年末に増刷されました。その後、ちびちびと増刷されていまは9刷8500部くらいまでいっている。でも、いま読みなおすととてもはずかしくて抹殺したくなる。意味あるのは、そのなかにある「姥棄山問題」だけだな。あとは、生命学を1988年に提唱したという歴史的事実だけ。でもまあ、不思議なことに、この本のファンという方々がおられるのです。足を向けては寝られません。最初の本では、思いっきり恥をかいたほうがいいのかもしれん。 勁草書房 Tel.03-3815-5277 Fax.03-3814-6968 |
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序章より抜粋 生命学の問うもの 生命論の歴史、それは生命の定義の歴史でもある。「生命とは何か」という問いをめぐって、生命論は様々な試行錯誤を繰り返してきた。
あとがきより抜粋 ・・・そうではなく、アカデミズムの中に仮りに身を置きながら、アカデミズムの外で、問題テーマ群ごとに専門の壁を超えて人々が集まり、自由で活発な議論を積み重ねてゆくこと。そのような、肩書きも学歴も全く問わない研究グループが、雨後のタケノコのように自由自在に出没し、お互いに情報を交換し、ゆるく連結してゆくこと。このネットワークの中でこそ創造的な営みは醸成され、静かに賛同の輪を広げてゆくに違いない。ただし決して<組織>を作らないこと。それはもうひとつのアカデミズムを生むだけだ。 ・・・サラサラの砂漠で遊び疲れた僕らは、やがて砂の上に根を降ろして銀の糸をつむぎ始める。そして糸をつむぐ人々の回りから、学問の流れは少しずつ良い方向へと向かってゆくであろう。僕たちは仲間を必要とする。
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