作成:森岡正博 |
環境ホルモンについて
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最近の内分泌撹乱物質ブーム(?)はあまりにもいきすぎだと思います。「精子数の
減少」というコトバ一つ取っても現時点で人間の精子数が減っているという確実な証
拠はどこにもないにも関わらず、「事実」としてコトバだけが一人歩きをしています
。森岡先生が掲示板でおっしゃっている記事も「WHOの基準に比べて半分くらいとい
うデータがでた」というような話だったはずです。そもそも日本人の精子の数など誰
も調べていないのだから減った増えた以前に標準がないのです。さらに精子数という
のがどういう意味を持つのかすら良くわかっていない。誰の精子をどんな風にして採
取すればいいのかもわからないんです。「標準的な日本人男性」って週に何回射精す
るんですか?医学部の学生から無理矢理採取した精液とフーゾクに通い詰めてるオジ
サンの精液とは同じものでしょうか?そんなことを真面目に研究してた人がいるんで
しょうか?
環境ホルモンが問題なら体内のホルモンはもっと問題のはずですが、女性ホルモンを
作る脂肪組織の多い太った男の人は(女性化乳房は良く見られますよね)そんなに問
題なんでしょうか?太った男の人は子孫を残せないのでしょうか?
プラスチックから溶け出す可能性があって危険だと騒がれているビスフェノールAは
ネズミに大量に長期間投与しても精巣に何の変化も起こしていません。ワニや軟体動
物に影響があったとして、人間はいつから哺乳類より魚介類やは虫類に近い生き物に
なったというのでしょう?孵化するときの水温でオスかメスかが決まったり、途中で
簡単にオスがメスになったりメスがオスになったりする生き物と人間とが全く同じで
しょうか?
自然環境の破壊がいけないから環境ホルモンが問題だというのならまだわかります。
それなら人間はもっと他にやるべき重大なことがあります。でも人間に対する影響と
いう問題でしたら今のマスコミは騒ぎすぎです。現在環境ホルモン作用を持つ天然物
もたくさん知られています。一部の団体はそういうものも採るべきではないというス
タンスを取っていて、例えばダイズは環境ホルモンの一種であるフラボノイドをたく
さん含むから大豆製品を一切やめようとまで言っているそうです。ここまで聞けば「
ちょっと待ってくれ」と思いませんか?
そう、環境ホルモン反対運動の一部は一種のカルトなんです。森岡先生ならこの程度
のことは黙っていてもいずれ喝破なさるでしょうが、私は黙っていられませんでした。