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作成:森岡正博 
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著書

 

感じない男 ちくま新書 2005年2月7日 ちくま文庫 2013年4月10日 756円

森岡正博

■「無痛文明論」の著者が満を持して放つ、衝撃のセクシュアリティ論。ロリコン、制服、男の不感症という禁断のテーマに正面から挑んだ問題作。ネットでも話題増殖中。「男ってこんなんだったんだー」と目から鱗が落ちる女性読者や、心の奥底にあるものを暴かれておろおろする男性読者急増中。

 

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書評一覧

多くの書評が出ました。上野千鶴子(共同配信)、井上章一(週刊ポスト)、武田徹(産経新聞)、佐藤俊樹(読売新聞)、その他、朝日新聞、東京新聞、日刊ゲンダイ、週刊金曜日、SPA!など。 >>内容はこちらをご覧ください


『感じない男』目次

はじめに (全文を読めます)

第一章 ミニスカートさえあれば生身の女はいらない!?

「男とはこういうもの」という言い方の嘘/ミニスカをめぐる男女のすれ違い/「ミニスカの下には白いパンツ」/何に欲情するのか――人形、アニメ、漫画の場合/ミニスカさえあれば生身の女はいらない などなど

したがって、次のように正確に言い直さなければならない。すなわち、大事なのは、スカートの中身を隠そうとする意志があるにもかかわらず、スカートの中身が見えそうになっていることである、と。」(17頁)

第二章 「男の不感症」に目を背ける男たち

「私」のポルノ体験/あの後の、ひとり取り残される感覚/「射精は排泄行為である」/「充実感→快感→敗北感」の繰り返し/「男の不感症」に目を背ける男たち/男たちの猥談のルール/「男の不感症」に気づいていたキンゼイ/「射精=オーガズム」公式の影響力/「溜まってくる」感覚はどこから来るのか/「不安」な気持ち、「いじめたい」気分/「感じない男」の女性憎悪/「感じる女」を見て自虐の快感にひたる男/ポルノの根本にある思想とは? などなど

射精についての神話がある。それは、射精はすごく気持ちのよい、至福の体験であるという神話だ。「射精は男にとって至福の体験である」と思っている人は多いにちがいない。とくに女性たちは、単純にそれを信じているのではないだろうか。だがここに、大きな罠がある。」(28頁)

第三章 私はなぜ制服に惹かれるのか

制服少女の清涼感とゾクゾク感/「私」が制服に惹かれる仕組み/汚れなき白パンツの向こうには?/「制服萌え」とは「学校萌え」の別名/教師にとっての制服少女たち/なぜ「学校」に欲情するのか/制服少女を「洗脳」したい!/「洗脳」への欲望を解剖する/「ごつごつした汚い男の体」への否定感情 などなど

彼らが求めるのは、このような「脳の処女」であり、かつ、「私のことを洗脳してもいいのよ!」とみずから洗脳を志願しているように見える少女なのである。そしてその洗脳の志願の証こそが、彼女の着ている「制服」なのだ。」(87頁)

第四章 ロリコン男の心理に分け入る

彼らはなぜ少女に近づくのか/「ドキドキ感」の奥底にあるもの/「セックスに満ちた少女たち」というメッセージ/巧妙な少女アイドルの制作者たち/「ミニモニ。」ビデオの裏メッセージ/モーニング娘。と秋葉原おたく男/少女たちの親は何を考えているのか/「仮面をかぶった少女ポルノ」に群がる人々/ロリコンの気持ちを分析する/「第二次性徴」の意味/間違って「男の体」になったという思い/「私は少女で、少女は私である」/少女への欲望の深層にうごめくもの/なぜ「私」自身を産み直したいのか などなど

このように考えると、「萌え」の新たな意味が明らかになる。おたくたちが、美少女キャラやフィギアなどを見て「萌える」と言うとき、彼らはそれらの中に乗り移りたいと言っているのであり、それら美少女の体を「着たい」と言っているのである。美少女の体を着ること、これこそがおたくの「萌え」の核心なのである。異性装は服を着るのであるが、ロリコンは体を着るのである。」(134頁)

第五章 脱「感じない男」に向けて

「男の体は汚いじゃないですか!」/「私」のマスターベーション体験/ゲイと年上の女からのアプローチ/男は「狩人」でなければ、という思い込み/「感じない男」とはどういう男か/やさしさへと開かれる「不感症」へ/「自分の体は汚い」という意識を溶かす/不快感を持たれた方へ/それぞれの問題として・・・・・ などなど

その場にいた女が、「では、裸の男の人のビデオはどうですか」とみんなに尋ねた。その瞬間、さきほどの買春をしているという男が「だって男の体は汚いじゃないですか!」と言い放ったのである。私は、その発言を聞いて、何かが一気に分かったような気がした。」(145頁)

補章 感じない男はその後どうなったのか (文庫版 書き下ろし)

刊行後8年、感じない男はどうなったのかを書き下ろした、文庫版オリジナルの文章。

 

韓国語版がPlanetB社より刊行されました。


<新聞などに出た書評>

2月20日 中日新聞・朝刊(中日新聞グループ、東京新聞)

著者自身の実感に基づく「男のセクシュアリティ」論で、主に制服フェチとロリコンの心理構造について分析している。思春期の索漠たる夢精やマスターベーションがもらたしたトラウマ(心的外傷)がすべての根本にあり、性の快感に対する間違った認識が妄想を助長するとする。男の性感という角度からロリコン現象を見すえた点がユニーク。また、著者の描くロリコン大国日本の肖像も衝撃的。

2月28日 産経新聞・朝刊 武田徹

・・・・若い女子学生も教える大学教師という身分ゆえに隠しておいた方が処世として何かと得だろうに、ここまで性について真摯(しんし)に書いてくれた著者の勇気に励まされた結果である。>>全文を読む(産経新聞サイト)

3月6日 朝日新聞・朝刊

男が制服少女、ロリコンにはまる理由は、「男の不感症」にある、と著者。快楽とはほど遠い射精と、その後の空虚な感覚。この感じない身体が、「感じる女」に向かうとき現れる屈折。男のセクシュアリティーを自らの体験と照合しつつ探求した一冊。

3月6日 地方紙配信 上野千鶴子

猥談は男の共通語と言われているが、ほんとうに男が一人称で自分の性について語ってきたか、わたしはあやしんできた。・・・・そのわたしの疑問に答えてくれる本が、ようやく出た。・・・・女の目から見れば、男という未知の身体の経験だから、へぇー、そうだったのか、というオドロキがある。男の読者なら、ここまでヒミツをばらすなよ、と怒るかもしれない。・・・・ >>山梨日々新聞、高知新聞などご覧ください

3月15日 SPA! 米光一成

・・・・本書は刺激的な性の書である。何よりも、「一人称で語る」と宣言しているのが、いい。・・・・この著者も、人類代表気取りの罠にはまってしまうのだ。・・・・森岡さん、最後まで「私」を主語にして語ろうよ。ひとりで淋しいのなら、みんなを集めよう。・・・・ >>雑誌をご覧ください

3月17日 日刊ゲンダイ

これまでまったく指摘されることのなかった「男の不感症」という禁断のテーマに真正面から挑んだ衝撃の本だ。・・・・自分自身のことを赤裸々に語りながら、目からうろこのセクシュアリティ論が展開される。・・・・ >>日刊ゲンダイサイトで全文が読めます

3月18日 週刊金曜日「読んではいけない」 井家上隆幸

だからしてこの本は、マッチョであろう、ありたい、それが男の生きる道(セクシュアリティ)と思っている人には世の男を誤らせる悪書も悪書、トンデモ本。しかもその「毒」はメウロコなんてもんではない。・・・・ >>雑誌をご覧ください

3月20日 読売新聞 佐藤俊樹

欲望を徹底的に「私」のこととして語る、他人事にしないその文章には随所にドキッとする指摘もあって、示唆と刺激にとんでいる。・・・・・少なくともすぐに生物的欲求や社会的権力をもちだす「理論」よりも、一人称で語る著者の言葉は論理的だし誠実だ。それだけでも読む価値がある本である。 >>読売新聞サイトで全文が読めます

3月22日 東京新聞「大波小波」

・・・・恣意的な要素の多い屁理屈ともとれ、森岡さん、大丈夫?と言いたくなる怪しげな本でもある。 >>東京新聞をご覧ください

4月1日 週刊ポスト「この人に訊け」 井上章一

いったい、これはどういうことなのか。なぜ、男の場合は、たつかたたないかばかりが、問われるのだろう。なぜ、誰もどう感じたのかを、検討しようとはしないのか。「感じない男」に関する著者の考察は、ここからはじまる。この一点を基礎におきながら、壮大な性の認識論がくみたてられていく。卓見だと思う。また、思考の一貫性にも脱帽する。・・・・ >>雑誌をご覧ください

4月2日 週刊現代「リレー読書日記」 上野千鶴子

男が弱者も含めて、自分の性のホンネを語ったことは、思いのほか、なかったのではなかろうか。そのわたしの疑問に答えてくれる本が、ようやく出た。・・・・ >>雑誌をご覧ください

4月8日 週刊朝日「新書の穴」 青木るえか

いや、この本は面白いです。ある意味読みどころ満載。出だしでまず著者の森岡さんが。自分の実感をもとに「男の不感症」について延々語る。ビンビンになるけどまったく快感がないぜ!という話ではなく、射精は気持ちいいが、溜めてたおしっこ出した程度の気持ちよさでしかなく、・・・・ >>朝日新聞社サイトで全文が読めます