作成:森岡正博 |
連載 『無痛文明論』1998−
『無痛文明論』書籍版が、2003年秋に刊行されます。こちらをご覧ください。
・「引き裂かれた生命」完結後、『仏教』誌に短期集中連載として開始されたものです。これが、『宗教なき時代を生きるために』に続く、生命学第2巻になることまちがいなし。
・現代の文明の本質を「無痛文明」としてとらえ、そのなかで「死にながら生きる」われわれが、いかにしてそこから脱出できるのかを全力で考えるつもりです。引用するときには、オリジナルの雑誌に当たって、ページ数を確認してください。リード文は、雑誌連載時に編集者がつけた文章です。
無痛文明における愛の困難 無痛文明論(2)[99/2/21] 障害の可能性のある胎児を中絶するより前に、受精卵を廃棄するというやり方−−無痛文明は私たちの欲望を満足させたまま、将来の苦しみやつらさを消去しようとする。そこに出現する恐るべき社会の病理とは。
無痛文明における自縄自縛の構造 無痛文明論(3)[99/6/22] 人間は本来あるべき場所から追放されてしまった、だから失った場所を取り戻さなければ、という従来の「疎外論」では、無痛文明からのさまざまな攻撃を克服することはできない。私たちを縛っているものの核心と真相。
暗闇のなかでの自己解体 無痛文明論(4)[99/11/17] 無痛文明に抗して自己解体をするためには、社会レベル・共犯関係・個人レベルの自縄自縛構造を解かねばならない。<私>を例にした三つのアイデンティティの考察と、最後に現われる、身体の欲望を超える愛と孤独について。
身体の欲望から生命の欲望へ 無痛文明論(5)[00/2/21] コントロール理性と結びついて五つのかたちをとる身体の欲望を、生命の欲望へとどう<転轍>するか。次々にしかけられる巧妙な罠を逃れ、無痛文明を解体し尽くした果てに現われる、答えようのない「とき」の意味とは。
自然化するテクノロジーの罠 無痛文明論(6)最終回[00/5/22] ビオトープ作り、ランドスケープ・イマージョン・・・・無痛文明が自然化するテクノロジーによってしかけてくる罠は、ついに「誕生」「死」「大自然」という最後の聖なる場所への侵入を始める。想像もつかない闘いのクライマックス−−近未来の悪夢を打ち破る道は見出し得るか。
・いま2002年1月です。いま「無痛文明論」(7)を書きあげました。無痛文明論は、あと、(7)と(8)を書き上げたら終わりです。いま2002年9月です。いま「無痛文明論」(8)を書き上げました。(7)と(8)は、かなり長いぞ。とくに(8)は、400字x210枚。これから、(8)の推敲と、上記の雑誌発表分の書き直しに入ります。徹底的に書き直すぞ。それが終わったら、トランスビュー社から単行本として出版します。
・いま2003年3月です。1章から3章まで書き直しました。単行本は、2003年夏から秋には刊行したいと思ってます。いずれにせよ、私の代表作になるのはまちがいなし。問題作でしょうね。単行本になるまで、いましばらくお待ちください。出版されたら、英訳もします。海外の人は、どう読んでくれるのかな?
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