大学/大学院の受験を考えている方へ 早稲田大学人間科学部・大学院人間科学研究科で森岡正博の指導を希望する方へのメッセージです。 早稲田大学人間科学部で森岡正博の指導を希望する方へ 早稲田大学人間科学部には、「人間環境科学科」「健康福祉科学科」「人間情報科学科」の3つの学科があります。私は「健康福祉科学科」に所属します。 実はこの3学科は、いったん入学すれば学科間の垣根がとても低く、基本どの学科の授業を受けることもできるだけではなく、3年生・4年生のときに所属するゼミ(研究室)をどの学科の教員からでも選ぶことができます。 ですので、人間科学部に入学すれば、どの学科であれ3年生になったときに私のゼミを希望する権利が生じます。ただし、もし希望者数が多くなれば志願書により選抜されます。定員はだいたい7名までです。ゼミに入れば、卒業まで一貫して指導を受けられます。 ゼミの内容ですが、哲学の本を読んでみんなでディスカッションをしたり、生命倫理のテーマをめぐって討論をしたり、哲学カフェを試みたり、学会に出かけていったりします。卒論は、生命倫理・環境倫理か、生命の哲学・現代哲学のテーマで書くことになります。哲学・倫理学は文学部・文化構想学部でも学ぶことができますが、私のゼミでは、文献読解にもとづいた哲学・倫理学ではなく、自分の頭で徹底的に考えていくやり方を行ないます。とにかく考えることが好きで、徹底的にものを考えてみたいという方は、私のゼミにぴったりでしょう。 ただし、ゼミの内容は非常に厳しいですし、予習に多くの時間を取られます。毎週レジュメを書いて提出しないといけません。また、抽象的な議論が好きでないと、着いて来れないと思います。バイオエシックス科目の講義が面白かったからという軽い気持ちで志望しないように。 大学院に進学して研究を進める道も開かれています。また、ゼミ単位の飲み会・合宿は行ないません。また、お中元、お歳暮、誕生日プレゼントなどの個人的な贈り物は一律お断わりしております。 早稲田大学大学院人間科学研究科で森岡正博の指導を希望する方へ 早稲田大学大学院人間科学研究科の「健康福祉科学研究領域」に私は所属しています。修士課程・博士後期課程の指導を担当します。 私のゼミで研究できるテーマは、「生命倫理学・環境倫理学」「生命の哲学・現代哲学」です。研究手法は、自分の頭で考える、文献を読んで考える、ディスカッションをする、自身で研究会などを立ち上げる、などです。フィールドワーク、量的・質的調査、実験、などの研究手法の指導をすることはできません。 「生命倫理学・環境倫理学」については、哲学・倫理学の視点から博士後期課程まで研究できる日本でも数少ないゼミです。「生命の哲学・現代哲学」については、私が中心になって提唱している「生命の哲学」の分野を一緒に切り開いていくことができます。「現代哲学・倫理学」についても研究できます。 今後特に院生を受け入れていきたい領域(以下に限るわけではない):
修士課程では隣接科目・英語などの授業を広く履修して単位をそろえることが必要です。所沢の必修授業の他に、戸山キャンパスや本部キャンパスの他研究科の授業の単位を多数取ることもできます。また、修士課程では「学習」ではなく「研究」を行なっていただきます。研究のレベルに達していない方は入学できません。博士課程では職業的研究者を希望される方を指導します。研究倫理関連授業(ZOOM)以外は、授業履修の必要はなく、対面・ZOOM・メールでの論文指導や、学会などへの参加・発表が中心となります。後期課程では日本学術振興会特別研究員に毎年応募していただきます。 [学部から修士課程への進学]・・・人間科学部およびeスクールから修士課程へは推薦入試の制度があります。通学生の場合、学部ゼミでの活動などから推察して修士課程への適性があると判断されれば、推薦を行ないます。eスクール生の場合、特別の理由がある場合(たとえばすでに大学院修士課程を修了している、学術論文をすでに刊行しているなど)に限って推薦を行ないます。 [修士課程から博士課程への進学]・・・人間科学研究科修士課程から博士課程へは推薦入試(夏期・冬期)の制度がありますが、私のゼミでは、夏期の推薦をする条件として「学術誌での論文刊行あるいは刊行決定」「学会での学術発表」があることを要求しています。その条件を満たさない場合は、修士論文を完成提出したのちに冬期の推薦入試に臨むか、次年度に外部受験生と同じ入試を受けていただきます。 [学外から大学院への進学]・・・早稲田大学大学院外からの受験も公平に行なわれますので入試要項をご覧ください。受験をお考えの方は、ご自身の書かれた文章、論文などをご準備のうえ、あらかじめ森岡までメールにてご連絡ください。また、博士課程受験者は、一定水準の英語力が要求されます。 哲学者と哲学学者(過去の哲学者の哲学内容について研究する学者)は必ずしも同じではありません。哲学学者の養成は他研究科や他大学院で行なわれています。私のゼミでは、いずれの養成も行ないますが、みなさんの中心部分は真の意味での哲学者であってほしいと思います。哲学者とは、自分の頭で考え自分の問いを自分の言葉で解いて世界に発信していく者のことです。その作業を行なうために、先人たちの遺産と対話をしていくのです。自分の哲学を作り上げていってください。また博士課程では、このほか、早稲田大学ダイバーシティーポリシーに沿って、哲学界でマイノリティになりやすい女性哲学者をサポートしたいと考えています。哲学者として自立することを目指す女性研究者を受け入れます。またポスドクやJSPS外国人研究者や国費留学生も受け入れます。 職業的研究者を目指す方は、英語(翻訳がなくても読解できる能力)、ドイツ語・フランス語・中国語(翻訳と辞書があれば原文の意味の確認ができる能力)のスキルを在籍中にできるだけ早く身につけてください。ある特定の哲学者に依拠する研究を行なう場合は、その哲学者の使用言語を翻訳なしで十分に読解できる能力が必要です。学会発表・論文発表を行なう段階になれば、日本語に加えて、英語での発表・執筆を徐々にしていただきます。現在、哲学・倫理学の研究上の世界共通言語は英語になっています。世界に向かって、哲学のメッセージを発信できる研究者になっていってください。 職業的研究者すなわち大学教員になるためにはきびしい競争に勝たないといけないのが現実です。それを目指す方がおられればサポートします。 |